1 面会の時はどんな事を話せばいいの?
いよいよ面会が出来るようになったとして、数日ぶりに会うご家族にどのような話をすれば良いのだろうと悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的には、一日に一度、15分という制限時間内で話をしなければならない状況ですので、話の出来る事は限られています。
ご本人も既に3日も勾留され、警察や検察の取り調べを受けている状態であり、罪の意識にさいなまれている事が多いと思われます。
そのため、当然ご家族の中でお話ししたい事を自由にお話ししていただいた方がよいと思うのですが、弁護人としてありがたいな。と思うご家族の方の対応としては、
①まずは元気づけてあげる
→人によっては慣れない場所での突然の勾留のため、精神的にかなり参っている人もいます。その間、人とも話しをほとんどせず、世間から隔離された状態にいたのです。久しぶりにあった家族にいきなり怒られるより、やっぱり元気づけてもらいたいものですよね。
②仕事先の方との連絡や連携などについて必要な情報を確認する。
→お仕事をされている方にとっては、突然逮捕されて3日間外部と連絡を取る事が出来なくなってしまうという事は通常であれば、かなりの事態。場合によっては懲戒の対象となる自体です。
そのため、ご家族の方、または弁護人を通じて、真っ先に対応しなければならないケースは非常に多いため、ご家族の方が積極的に動いてくれると弁護人としても助かります。
③できる限り頻繁に行ってあげる
→平日しか出来ないという事からも仕事をしている方などであれば、なかなか面会には頻繁には行けないかと思います。しかしながら、想像してもらえればと思いますが、この時代に、突然携帯電話もインターネットも取り上げられ、一日中狭い房の中で、ほとんど誰とも話をせずに過ごしていたら、勾留されている方にとっては15分の面会はとっても貴重な時間なのです。
2 面会の時に話さないほうがよい内容
① 事件についての細かい内容
→事件については、犯罪をしたことが事実であって、本人も認めている(自白事件といいます。)なのか、そもそもそんな事実は知らない、もしくは、一部事実に違う事があって、本人が認めていない(否認事件といいます。)のかによって、実は捜査のやり方なども非常に違ってきます。
そのため、本人に会った時に事件の事について知りたいと思っても、警察官等の立ち合いもある前ですので、あまり細かい事まで聞くのはやめておきましょう。
場合によっては、本人としては事件を否認しているにも関わらず、ご家族の方の不用意な発言などから,捜査側の追及が激しくなる事などもあるかもしれません。
どうしても聞きたい場合は、本人に弁護人がついてから、弁護人を通じて聞いていくようにするなどされた方がよいかと思います。
② 共犯者について
同様に共犯者などについても話をあまりするのは、立ち合いの警察官もいる以上避けた方が無難です。
③ 家の掃除など・・・・
例えば、自宅や車に残してあった薬物のありかを隠してほしくて、家を掃除してほしい、車を掃除してほしいなど頼まれることもあるかと思いますが、薬物の存在を知りつつこれを隠蔽する目的で処分することは、証拠隠滅になりかねないので、このような頼み事は知らないふりをする、聞かないようにすることをお勧めします。
(証拠隠滅等)
第百四条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
3 弁護士はどういう面会をするのか
弁護士は、主に、刑事事件の事案の内容を聞き、今後の量刑相場、示談の方針、無罪などの争い方を依頼者と相談します。また、被疑者や被告人の職場での仕事の連絡や、マンションの家賃などについて連絡を入れたり、場合によっては被疑者からお金を預かり支払をしたりします。